主要な取引先が確立され、売上も毎期一定の数字が見込めるフェーズです。
過去の決算状況からどのように利益が推移し、決算時どのような対策が必要なのかも見えてきていると思います。
ここで会社に合っていない対策を行うと法人のキャッシュは目減りしていきます。財務諸表も健全性や安定性を示す指数が成長期に比べ改善していきます。
会社の成長が喜ばしい反面、自社株の評価額が上昇し始めるフェーズともいえます。親族内で事業承継の選択肢がある場合、早めの対策が必要になってきます。
Point
Ⅰ. 早めの事業承継対策と決算対策の見直し
図のように成長期と安定期を比較すると総資産額が上昇し、自己資本比率も高まってきます。
業種にもよりますが、自己資本比率は30~40%が望ましく、安定した企業と言われます。50%以上あれば優良企業、70%以上あれば超優良企業となります。
業績が上がるにつれ、自社株の承継が難しくなってきます。そのため、可能な限り期間をかけて自社株の移転をすることでコストの抑制につながります。しかし、自社株を移転することで議決権が減少するので、安易に移転するのも危険が伴います。顧問税理士などに早めにアドバイスをもらった方がよいでしょう。
Ⅱ. 決算対策
このフェーズに入ると成長期に活用してきた決算対策が安定期においても有効性があるのか検討する必要があります。決算賞与、家賃の前払い、減価償却などを行ってこられたと思います。なかでも即時償却できるからといって設備投資が過剰になっていないか決算対策がキャッシュフローに影響に及ぼしていないか、検討を怠ることなく実施すべきです。
このフェーズになると含み益をもっている資産(有価証券・遊休資産・生命保険など)処分には検討が必要になります。ポピュラーな含み資産といえば、生命保険です。例えば、利益が安定的に出ている法人が保険を解約すると当然のことですが雑収入となり税金の対象となります。解約返戻率が100%を超えればキャッシュを減らすことはありませんが、場合によっては保険を活用してしまったことでキャッシュを減らしてしまう事態になるので出口戦略は慎重に考えなければいけません。
Solution
安定期の企業の決算対策は結果的に「キャッシュを減らす対策」になりがちです。
私たちはそうならぬよう各企業に合った効果的な対策をご提案します。また、すでに保険やオペレーティングリースなどを活用している企業には、出口戦略のコンサルティングも行っております。